自己PR作文で大切なこと


「自己PR作文」とは?

過去の経験を元に、“あなたとまったく面識がない人”にあなたの魅力を文章でPRするもの。内容・エピソードがどれだけすごくても、書き方、文章構成がうまくなければ良い作文とは言えない。書き手の自己満足で終わらず、読み手を楽しませようとするサービス精神が重要。

例)

◆12年度/角川書店「分」/集英社「人生の2大ニュース」/小学館「穴があったら入りたい!」◆13年度/主婦と生活社「デジタルな自分」と「アナログな自分」(500字)/角川書店 「生」(800字)/ 集英社「コミュニケーションって難しい」(600字)/小学館「もってる!」(800字)/白泉社「急がば回れ」(800字)

 

大切なこと

自分が実際に体験した、感動した事柄を題材にする

実際に自分が体験してないことで指定の字数を埋めるのは至難の業。「自分の心が動いた体験でしか、私たちは相手の心を動かせない」というものだ。自分の人格やこれまでやってきたことが分かり、全体を通して一人の人間が浮かび上がるような作文を目指そう。また、作文と論文は違う。自分の体験がない作文は批評や分析で終わってしまう。頭の中で終わっている批評や分析、考えだけでは、なにが言いたいかは伝わったとしても、あなたという人物像は浮かび上がらない。

 

冒頭の3行に細心の注意を払う

例えばテーマが「あなたにとって働くとは」だった場合、書き出しを「私にとって働くとは、お客様の~」などと決して書き始めないこと。この時点で読まれないものと考えたほうが良い。また、テーマに馬鹿正直に答える必要もない。

 

地名、日時、数字などのデータや色、音、匂い、手触りなど五感に訴える要素を!

読み手は、情景を想像できなければ作文の内容に入り込めない。例のようにデータや五感の要素は適度に入れる。

 

例)

夕方7時、アルバイト先のステーキレストランは忙しさのピークを迎える。

 ↓

熱い鉄板の上の厚切り肉がジュッと音を立てた。赤ワインを入れると一瞬立ち上がる白い煙の後には、香ばしい匂いが襲ってくる。午後7時、アルバイト先のステーキレストランの30席は、たちまちお腹を空かせたお客さんで埋め尽くされる。

 

 

主語「私」は多用せず、指示語も最低限に

当然「私」のことを書くべきなので多用は避けよう。「私は~」で始まる文が多くなると表現が単調になってしまう。文章力を駆使して表現方法を変えながら、読みやすい文章にしていこう。

 

過去の体験が今の自分にどのような影響を与えているかを書く

どれだけ感動した話でも10年前の話題だったら、もう過去のもの。それが、今のあなたにどう影響し、どう活かされているのか。採用するのは今のあなた。そして未来のあなた。変化した自分、そして決意を書くのが重要!

 

「何を伝えるか」と「どう伝えるか」でまとめ直す

一生懸命に話をしていても「あれ、私は何を伝えたかったんだっけ?」と自分でも判らなくなる場合がある。面接の本番でそんなことになったら最悪だ。 「何を伝えるか」という話の根幹になるのは「自分の体験」と「決意」。これを時間をかけて固めていこう。「データと五感要素」「冒頭」「文章表現」はすべて「どう伝えるか」の要素になる。 五感に訴える描写があり、今のあなたを映し出している内容で、全体が一つの物語となって流れていき、数字や固有名詞といったデータが過不足なく入って理解を深め、決意が伝わってくる作文が書ければ、内定がぐんと近づく!