就活体験記


>>総合出版社内定 文芸編集志望/男性(地方就活生)ページ下部


総合出版社 内定

ファッション・ライフスタイル誌志望/女性(地方就活生)

志望理由

 雑誌が好きで、就活のことを考え始めた時に漠然と「雑誌の編集者になれたら楽しいだろうな」と思ったことがきっかけで、雑誌の編集者を目指し始めました。

 

 一番に食べること、二番にメイクが好きだったので、食の雑誌と美容誌・ファッション誌を出している出版社を目指すことにしました。

自己分析

 自己分析はほとんどしていません。その代わりに、ESを書くことが自己分析になっていたのではないかと思います。その都度質問に真摯に向き合い、自分なりの答えを出すようにしていました。

 また、“魅せ方”みたいな部分はESを添削してもらう中で、身についていったように思います。

業界研究・企業研究

 地方大学生なので、タウン誌の出版社でインターンをしていました。(大学3年の5月~2月)

インターンをする前は「編集者っておもしろそう!」程度でしたが、実際に働く中で様々な人に関われたり、考えたアイデアが形になる喜びを知り、「編集者は私の天職だ!」と思うまでになったので、長期インターンをやってよかったと思います。

 ちなみに、編集長と知り合いの人に編集長を紹介してもらい、インターンをすることが出来ました。

ですので、インターンを募集していない企業でもごり押しで働ける場合があります。

ES

 とにかくたくさん書きました。一旦書いたら、高校の時の友人に一次添削をお願いして、二次添削をOBOG訪問で出会った方々にお願いしていました。ESはできるだけ早く書いて添削をお願いするのが良いと思います。他人に読まれて審査される文章なので、他人の目をできるだけ多く通したほうがいいです。

 また、期限内に出すことが思ったよりも大変です。ぎりぎりに郵便局に駆け込むこともしばしばですし、WEB提出でも一旦出力して手書き部分を書いてからアップロードする場合なども多く注意が必要です。

 ちなみに私は、第一志望はWEB提出にもかかわらずギリギリ間に合わず、「翌日に通信障害が起こってアップロードできなかった」と電話で伝えて提出、内定先は、提出15分前にコンビニのプリンターでスキャンしようとしたらUSBを忘れてスキャンできず、近くにいたおじさんにUSBを借りてギリギリ間に合う、という失態を犯しています。とにかく早めにやりましょう。

筆記試験

 はじめに受けたS社で筆記試験落ちを経験し、「ESあんなに頑張ったのに筆記試験で落ちるなんて勿体ない!」と思い真剣に対策を始めました。ですので、2月くらいから片手間で、3月くらいから本腰を入れました。

 時事問題は「朝日キーワード」と「TBSラジオ 森本毅郎・スタンバイ」を毎朝聞くことで補填しました。ラジオはまとまった時間が取れなくても聞けるので、良かったと思います。

 あと、T.O.P&Mで時事問題を出し合うグループがあったのでそれも活用していました。時事問題を作るときは、単に朝日キーワードから引用するのではなく、あるトピックについて徹底的に調べ上げ、自分なりに重箱の隅をつつくような問題を作っていました。

時事問題勉強はいかに日常生活の中に入れ込むかが鍵かなと思います。毎日触れることでアンテナを高くすることが出来ます。実際、勉強しよう!と思って覚えたことよりも、問題の周辺知識を調べる中で知ったことや、ラジオなどで小耳にはさんだ情報が試験に出ることのほうが多かったです。

あとは漢字が苦手だったので漢検のアプリを使って勉強をしていました。

 また、試験の復習も大切にしていました。試験が終わったらすぐに問題をメモし、後で正答と周辺知識も調べ上げました。全く同じ問題が出たこともあったので、かなり効果のある対策だと思います。

面接

T.O.P&Mの面接練習に参加していました。更に、そこで同じジャンルを目指す友達を作り、集まって面接練習をしていました。

 でも、なかなか結果はついてこず筆記試験までは通ってもほとんど1次面接で落とされてしまいました。敗因としては、自分をよく見せようとしすぎたことかと思います。一番肩の力を抜いて挑めた面接は通っていました。

 あとは、面接からは相性もあるので、あまり一喜一憂するべきではありません。身が持たないので「私のことを良いと思ってくれないなんて見る目ないな!行かなくて正解だ!」くらいに思っておいたほうがいいです。でも実際に落とされるとそんなことは到底思えないので(笑)、今のうちに思っておいたほうがいいです。

地方大学生として苦労したこと

    交通費、滞在費がかさむこと

        私は、新宿まで片道2,000円(2時間)の場所に住んでいました。ですので、45月はAirbnbで 見つけたドミトリーに長期滞在していました。どうあがいても地方からの出版社就活はかなりお金がかかりますので、貯金しておくか、頼れるならば親御さんにしっかり話をしてこの時ばかりは協力してもらうべきだと思います。

②  出版社志望の友人を見つけるのが難しいこと

   農学部に所属しており、周りに一人も同じ業界を受ける人がいませんでした。ですので

   T.O.P&Mに参加し就活仲間を増やしていました。

    OBOG訪問を大学の卒業生から見つけるのが困難なこと

    地方の大学から出版社を目指す人がそもそも少ないので、OBOGの方がいらっしゃらないことが多いです。でも、T.O.P&Mでお会いすることはできますし、OBOG訪問のアプリもいくつか出ているので、そんなに心配しなくて大丈夫です。

   国会図書館に行くのにも外泊をしなければならないこと

面接に挑む前に自信をつける方法が、志望する雑誌のバックナンバーを読むことだったのですが、それをするにも外泊が必要でした。個人的には、いっそのことお金のことは割り切って長期外泊をして、国会図書館に通い詰めるほうが性に合っていました。国会図書館は時期になると、おそらく出版社志望の子が、机の上に雑誌を堆く積んで頑張っています。そういった姿は地元では得られない刺激かなと思います。

メッセージ

 出版社就活は、孤独な戦いです。そして、何が正解かは最後までわかりませんでした。

 だからこそ、自分に自信をつけるために、できることはすべてやるべきだと思います。

  そして最後まであきらめずに、ありのままの自分を魅せることが大切だと思います。


総合出版社内定

文芸編集志望/男性 地方就活生

志望動機

 昔から小説を読むのが好きで、自分とは異なる人間の人生を見て自分の人生を導いていく文芸の力をずっと感じていました。コミックやドラマ、映画など、フィクションはなんでも好きでしたが、最も人の人生に寄り添えるのは文芸だなというのは今でも思っています。身の回りに起こった小さな面白い出来事や辛い出来事を、あの作家さんに描いてもらえたら読んだ人は元気になってくれるんじゃないか、この作家さんのこんな作品をもっと読みたい、などと空想することもよくありました。文芸の編集者になれれば、これが仕事になるんだと気づき、出版社就活をすることに決めました。

 

就活解禁前まで

 20卒の場合、出版社の就活は一部の出版社を除いて2月ごろから始まりました。それ以前はとにかくたくさんの人と会っていました。意識的に会うようにしていた訳ではありませんが、「出版社からは内定をもらえないかもしれない。というかもらえない可能性が高い」と思っていたので本当にたくさんの業界を見ていました。メーカー、官公庁、配達事業、住宅、ゼネコン、もちろん出版業界のなかでも書店や取次も見ていました。私は「どこにも内定をもらえなかったら大変だ」という焦りからこのようなことをしたのですが、結果的には出版就活にも役に立ったのかなと思います。これは就活をしていると一度は言われることだと思うのですが、他の業界を見ていると、その業界に行きたい理由が自分の中ではっきりしてきます。出版社の場合「本を作りたい」という気持ちがどれだけ強くても、面接官から見たら志望動機として少し弱いのです。なぜなら面接に来る学生はみんな「本を作りたい」と思っているからです(もちろんそうでない人もいますが)。私は他の業界を見ていて、「出版は全ての業界に通じる」と感じました。どんな業界のことでも物語にはできるし、取材して記事にすることもできます。あるいは、他のエンタメ産業を見ていた時に、映画、ドラマ、舞台の多くが(時には音楽も)本を原作にしており、「出版は全てのエンタメの源流だ」と思いました。私は、そういうどの業界にでも繋がっていける広い仕事がしたいと感じたのを覚えています。「だから、私は出版社に入りたい」と、厳しい出版就活に立ち向かう熱意を自分の中に再燃させることができました。出版以外の業界に割いている時間はない! という人もいますのでなんとも言えませんが、本のことだけを考えていてはESでも面接でも自分の中の引き出しが足りなくなってしまうかもしれません。

 

出版就活について

 とは言っても、私は出版社が第一志望でしたので、出版社の対策に一番重きを置いていました。地方学生だったので、周りに出版志望の友人はいませんでしたが、インターネットを経由して運良く出版社内定者の方にお会いすることができました。「hello,visits」や「matcher」というコンテンツを利用しました。ぜひ、一度調べてみてください。そこでお会いした当時内定者だったお二人は、本当に親切に面倒をみてくださいました。このT.O.P&Mを紹介してくださったのもそのうちのお一人です。一度イベントに参加すると、どんどん縁が広がって行き、内定者の方にさらにたくさんお会いできました。そして何より大きかったのは、出版志望の学生に会えたことです。説明会やインターンにも何度か参加しましたが、それと同じかそれ以上に、同じ業界を目指す学生と飲みの席で話せたことは刺激的でした。私は実は気分屋で、「別に出版社に行かなくても本を読むことはできるよな」なんて思うことが結構ありました。出版社を目指すことはリスキーなことだと思っていましたし、諦めかけることも他の学生より多かったのではないかと思います。そんなときに、出版志望の学生の話を聞くと、こんなに頑張っている人がいる、こんなに熱意のある人がいる、こんなに面白い人がいる、といつも驚かされました。そして、帰り道にもう夜遅くなった東京の電車の中で、ぼうっとしながらもなんだかやる気に満ち溢れた自分に戻れていました。たくさんの出会いがあり、励ましあいながら少しずつ就活本番に向かっていったことをしっかりと覚えています。皆さんの就活も良い出会いに恵まれたものでありますように。T.O.P&Mはそういう場を提供するために存在しているのではないかと個人的には思っています。

 

具体的な就活対策について

 私は、何か特別な対策をしていたわけではないのであまり参考になるようなことは書けないかもしれません。まずESですが、一度自分の言葉で書いてみました。しかし、実は出版社のESは意外と曖昧な設問が多い気がします。何を書いて欲しいところなのか、それも含めて自分で考えろということなのでしょうが、全く的外れなことを書いて筆記試験に進めないのも悲しいので、内定者の方からESを見せていただきました。一度自分で書いてから見ることが大切で、人のESを見てから書くと、まるで和訳を見てから読んだ英文のように、なんだかできた気になってしまうのです。そして、明らかにここはこういうことを書くところではなかったと分かれば、そこを書き直します。そのあとは、内定者なり、あるいは学生同士でも構いませんが、ESを人に見てもらいます。僕はたくさんのダメ出しをくらいました。けれど、自分がこれでいいと思うところは無理に変える必要もないと思います。面接であとあと自分の首を締めないようにということを意識して、ESを書きました。これは本当に人によるので、見てもらうのが一番だと思います。締め切りが一気に五つくらい来る週がありました。できるだけ余裕を持って書くといいと思います。僕はたくさん徹夜をして、ESの時期が一番憔悴していました。

 筆記試験は、正直対策の仕方がよくわかりません。国数英の基礎学力に不安のある方は高校までの内容を復習しておくと良いと思います。会社にもよりますが、かなり学力の比重が高そうな試験もありました。あとは、時事問題ですが、わからない問題があって当たり前の試験ですので、出るところだけを押さえよう!というよりは、たくさんの記事を読んで、ニュースや時にはバラエティ番組、話題のドラマや映画も見て、アンテナを高く張って情報通になりきるのが私たちにできることの全てだと思います。もちろん、本の話題はよく出ますので国内外の賞に注目して、作者と作品名以外にも、賞の歴史や帯の文句、著者の代表作や出身地など色々な角度から確認をしておくと良いと思います。

 面接は、本当におしゃべりをしていました。おしゃべりがうまくいったところは通り、今ひとつのところは落ちました。言い換えるならば、きちんと会話ができた場合は通り、相手の言ってることがわからなかったり、自分の言ってることが伝わっていない時には落ちました。相手の言っていることが分からなければ、わかったような顔をして話し続けるのは最悪です(私はこれを二度やらかし、数少ない選考中の出版社を二つも手放してしまいました)。かなり曖昧な聞き方をして来る面接官もいらっしゃいます。「どのくらい」とか「なんで」といった問いが続き、何を聞かれているのかを自分で判断しなければなりません。しかし、面接は会話なので分からなければ「何がですか?」くらい言ったほうがいいです。トンチンカンな回答をされたら、面接官は「話の通じない子だなあ」と思い、その後はもう話を聞いてはくれません。それよりも、面接官相手にも「どういうことですか」と聞ける度胸のある学生のほうがずっとマシだと今になって思います。出版社の倍率はものすごく高く、考えるだけで嫌になってしまいますが、ひとつひとつの面接自体はだいたい三倍くらいのところが多いのではないかと思います。そう考えたら、少し気持ちが楽になりました。面接官のちょっとした冗談にたくさん笑って、時には友達にも話したことのないような秘密を打ち明けてみたり、作品に対する正直な感想を面接官と共有してみたり、とにかく早いうちに緊張を忘れて相手との壁を取り払いましょう。楽しかったなと思えるのが理想だと思います。これは、慣れていない人と話すことの練習が必要と思います。私はT.O.P&Mの面接対策講座にも参加しました。自分の意見を、よく知らない人に正直にいうことは結構難しいですが、練習を重ねれば少しずつできるようになっていくのではないかなと思います。あとは、面接官がどう思ったかですので、自分たちにはどうしようもありません。精一杯一生懸命明るく元気に楽しんだあとは、天命を待つの気持ちであまり気にしないようにしましょう。これがなかなか難しいです(笑)

 

出版就活に臨む皆さんへ

 どんな理由があるかはわかりませんが、出版社に行きたいと思ったそのこと自体が、T.O.P&Mのスタッフ、他の参加者の方、そして皆さんとの共通点です。たくさん話をして、仲良くなって、辛い時に奮い立たせ合える関係を見つけられるといいなと思います。私は出版社なんてとてもとても遠い夢物語で、自分の足元と地続きになっているとは思えない学生でした。しかし、内定者の方や出版志望の学生と話をするうちに、確かに遠いけれど、今立っているこの場所と確かにつながっていると思えるようになりました。違う世界の話と思っていたのが、同じ世界の遠くの話になりました。それは、一人では決して得られなかった感覚だと思います。出版をはじめ、マスコミに本当は行きたいけれど、自分には無理かな、と思っている人こそ、志を同じくする人と会って話をしてみてください。私は地方就活生で、T.O.P&Mのイベントに参加するにも、飛行機を使っていました(もちろん、インターンや説明会なども含めた目的でのフライトでしたが)。お金と時間と体力をたくさん使う就活でした。けれど、そのことを今、後悔していません。一人じゃないと思える時間は僕にとって必要だったからです。力を尽くして、自分らしく、楽しく、頑張ってください。